竹重悠貴
カラム試験による焼却灰再生製品からの重金属溶出挙動
小松俊哉、藤田昌一、姫野修司
都市ゴミやその焼却残渣の溶融処理で得られるスラグの有効利用を行う際には、スラグが環境に与える影響を事前に把握する必要がある。日本の利用判定試験は環境庁告示46号法試験である。しかし、この方法は問題が多い。それは利用形状によって溶出メカニズムが異なることためである。廃棄物の適正処理(有害性の判定)、有効利用の観点からも廃棄物の溶出特性を調べることは重要である。
そこで、一次資材の溶出現象を把握することを目的に,実環境におけるスラグの利用状況を再現したカラム溶出実験を行った。その結果、クロムは1ヶ月以内で溶出がほぼ終了した。カドミウムの溶出は3ヶ月で終了した。鉛の溶出は5ヶ月継続した。また、いくつかのサンプルではカラム試験による鉛の浸出率が環告46号試験の浸出率を上回った。環告46号試験ではPbの溶出量を評価できない可能性が示唆された。我々は廃棄物を安全利用するためにはカラム試験による評価が必要であると主張した。