北幸寛
日本海沿岸域冬季の気温に関する季節内変動の周期特性
熊倉俊郎
今日、雪害を予測し回避するためには大雪と小雪の気象的特徴を把握することが重要である。日本海沿岸の積雪や融雪は気象要素の中でも特に気温に左右されるため、日本海沿岸の地域では気温変動の周期特性を把握することが非常に重要であると考える。本研究では、長岡の25年分の気温データを基に各年毎にフーリエ解析を行い、得られた振幅から大雪の年8年と小雪の年17年に分け、それぞれの冬季の周期特性を把握した。結果と考察は以下のようになった。4日周期から14日周期の平均的な気温変動は小雪の年で0.48℃、大雪の年で0.36℃であった。また寒気と暖気の入れ替わりと考えられる7.4日周期での気温変動が小雪の年で0.56℃、大雪の年で0.62℃であった。小雪の年と比べ、大雪の年は平均的な気温変動と寒気と暖気の入れ替わりによる気温変動の差が大きいため、寒気と暖気の入れ替わりによって集中的な降雪や融雪による雪崩の危険性を伴うことが考えられた。