大久保 賢一

熱力学的多成分吸着平衡モデルによる非理想系二成分揮発性有機化合物の吸着平衡挙動の解析

藤田 昌一,小松 俊哉,姫野 修司

本研究では,活性炭BPLにおける揮発性有機化合物(VOCs)の二成分吸着平衡について解析した.活性炭BPLに対する,VOCsの多成分吸着平衡について,本研究では,Ideal Adsorbed Solution Theory(IAST)による吸着平衡の推算が困難とされている非理想系二成分VOCs吸着平衡をNon Ideal Adsorbed Solutin Theory(NIAST) (Siperstein and Myers)を用いて推算することを目的とした.まず,ヘッドスペースガスクロマトグラフィー(HSGC)法と流通法を用いて単成分吸着等温線,二成分吸着平衡を測定し,Toth式,Dubinin-Radshkevich式,そしてClausius-Clapeyron式を用いて解析を行った結果,幅広い圧力範囲での吸着等温線の測定と正確な解析が可能であった.そして,それらを用いてIASTによる解析を行った結果,極性の異なるVOCを組み合わせた二成分系においては,IASTによる吸着平衡の推算が困難であった.それに対し,NIASTを用いることでより高精度での推算が可能となり,NIASTを用いることで非理想系二成分VOCs吸着平衡の推算が可能であることを示した.