猪狩周二

地方都市における図書館の立地と利用実態に関する研究

中出文平・樋口秀


 本研究は中心市街地衰退の一要因として公共施設の郊外展開に着目し、地方都市に立地する公共図書館を対象として郊外展開の実態把握を行い、その問題点を明らかにすることで、今後の公共施設立地のあり方を考察している。

 まず、地方都市の過去20年間における図書館規模の拡大と立地変遷を明らかにした。移転や新設された立地は郊外部が多く、中枢機能を担う中央館ですら例外ではない。そして5都市7図書館において利用者アンケート調査を実施した結果、図書館の立地は利用実態に影響を与えており、特に交通弱者が受けている影響は大きいことが分かった。