宍戸 智史

繊維補強発泡ウレタンのリサイクル材料に関するクリープ特性の研究

指導教官:丸山 久一


 本研究は、繊維補強発泡ウレタン(FFU)材の廃材の再利用を目的として、FFUを粉砕しチップ状にしたものにMDI(ジフェニル メタン ジソシアネート)樹脂を噴霧し、高温高圧下でプレスした部材を対象とする。本研究に使用した供試体をR(Recycle)FFUと呼ぶことにした。

 現在考えられているRFFU材の用途には、枕木、蓋、歩行板などがある。RFFU材の利用方法について、FFUの用途である枕木、蓋、歩行板以外(例えば土木の用途など)にも展開することが考えられており、RFFU材の長期の曲げ特性であるクリープ特性についても考慮しなければならない。
本研究では、FFU材の再利用の方法として、RFFU材に荷重が持続載荷された場合の曲げクリープ限度について検討を行うことにした。

 曲げクリープ試験の結果、クリープ限度は35〜60%であると推定した。しかし、同じ応力比にもかかわらず、試験中に破壊した供試体と破壊しなかった供試体に分かれた。この原因には、破壊した供試体はチップが十分に圧密されていなかったため、部分的に比重が低く強度が低下したと考えられるので、供試体の部分的な比重の検討を行った。

 その結果、RFFU材には比重の不均一性が生じていることが分かった。応力比35%で試験を行った供試体3体のうち、中心付近の比重が低下している供試体2体が試験中に破壊したことが分かった。

 応力比35%で試験を行った、試験中に破壊した2体の供試体の応力を破壊部の比重を用いて再度検討した結果、破壊部分の応力比は40%以上であることが分かった。