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合成2主桁斜張橋床組構造の設計法の開発

指導教官名: 長井 正嗣、岩崎 英治

合成斜張橋は海外では経済的な形式として建設例が多いが、我国では依然建設例がみられない。
しかし、経済的な本形式を対象にして、その力学特性を明らかにするとともに、構成部材の設計法を検
討して、おくことは重要と考える。
本研究では、横桁および床版に作用する断面力の把握などの検討を行う。検討にあっては、道路橋示
方書および松井らの式などといった設計式と立体的FEM解析を用いて行う。 これらの検討から、床組
設計法の開発を目的とする。
解析パラメータとFEMモデルについては合成斜張橋の桁,塔,ケーブルを含む全体構造
としての立体FEM解析が,大規模なマトリックス構造解析となって困難を伴うことから,
主桁の一部を取り出した立体FEM解析を行う.対象とする主桁は幅員として,2,3車線橋梁
を対象とした2種類, それぞれにその間隔として3種類, 全て6種類を考え, また荷重
として死荷重とT荷重を考え,  FEMパラメトリック解析を行う.
本研究で得られた結果を以下に示す.
1. 床版の応力について
1.1 主鉄筋方向の場合:
死荷重および活荷重による主鉄筋方向の応力は各設計式と良い一致を示した.
1.2 床版作用のみによる配力筋方向の場合:
死荷重による配力鉄筋方向は松井らの式(床版作用のみ)に比較すると,いず
れのケースも良い一致,また安全側となっている.しかし,活荷重の場合では
松井らの式により多少以下の結果となっているが,道示にどのケースもよい一
致を示した.
1.3 主構作用による配力筋方向応力:
死荷重および活荷重による主鉄筋方向の応力は各設計式と良い一致を示した.
2. 横桁の応力について
死荷重の場合は,曲げ応力また,せん断応力が良い一致を示した.しかし,
活荷重における横桁の曲げ応力はいずれの場合も,本提案法の結果が約2倍ほ
どFEM解析値より大きくなる.つぎに曲げに伴うせん断応力について,FEM解
析結果と設計計算結果を比較すると,曲げ応力と同様に約2倍ほど提案法が安
全な結果となった.
3. 設計法について

 設計係数αを用いて, 横桁および床版配力鉄筋方向の曲げ応力の設計に適用
できると考えられる.