カレタス チャド アレクサンデル ヴィクトリア

原位置せん断試験装置の開発

指導教官 豊田浩史

地盤の強度定数(c、φ)を求めるには、一般に標準貫入試験やコーン貫入試験などの原位置試験より地盤の抵抗を計測し、そこから求める方法と、各室内試験より測定する2つの方法がある。前者は地盤が自然な状態であるが、直接強度定数を求めることができず、N値から経験的に推定せざるを得ないのである。後者では直接強度定数を求めることができるが、試料のサンプリング時では応力状態が変わってしまう。
原位置で直接強度定数が計測できれば,より地盤の自然な状態で適切な設計を行うことができる。そのためには原位置でせん断試験を行う必要がある。ここではボーリング孔の孔底でせん断試験を行う方法に着目した。本研究では、孔内ねじりせん断試験装置(Borehole Torsional Shear Test:BTST)を開発し、BTSTで定圧試験及び定体積試験を行い、得られた結果と室内試験(一面せん断試験、リングせん断試験、三軸試験)との結果を比較し、BTSTのせん断機構を検討した。
その結果、拘束リングを導入することで、室内試験と同等の試験結果を得られることを明らかにした。粘土に対しては、土がある程度硬さがあるので中空型でも問題なく強度が測定できることを示した。対象とする土によって、せん断刃を変えることで土の強度を正確に評価することができることを示した。