大内 啓之

密度噴流の積分法による解析についての検討

早川 典生

はじめに、都市排水や発電所からの温排水の放出、大気への工場排煙の環境問題について評価する時、これらの放流や排煙の広がり特性を知らなければならない。それについて、密度噴流の解析の問題について研究を行った。
本研究では、密度噴流の挙動を基礎式から相似仮定により導いた理論式を用いて、さまざまな条件において計算するプログラムを作成し、計算の可能性を探ることを目的とし、また、1998年、塚本による、噴流実験データとの比較も行った。
密度噴流とは周囲流体に対して運動量をもって排出される流れで、周囲流体
との密度差がある場合を言う。その解析内は流速密度分布に相似形を仮定して、基礎微分方程式を積分して噴流の特性に付いての常微分方程式を解くのに積分方を採用した。
塚本による実験は、水槽内に塩水を流し込む密度噴流実験で、その実験条件と同様な数値解析を行った。その結果、実験値と数値解析結果は、ほぼ同様の結果となった。
その後、方程式を無次元化し、初期密度フルード数、周囲流れ、噴出角度などを変えて計算を行った。
以下に結論を示す。
・周囲流れのある流体中に噴出される2次元密度噴流の計算手法を開発し、初期フルード数、初期噴出角度、周囲流れの強さを変えて、計算結果を示し、実験結果とを比較した
・実験と数値解析の計算を比較した結果、噴流の中心軸の軌跡において、ほぼ同様の結果が得られた。
・初期噴流速度を基準として、周囲の速度を決めた場合、中心軸の解析は噴出速度のUa=-0.5以上では解析可能であるということがわかった。
・Ua=-0.1の場合、Xが次第にマイナス方向に引き寄せられ、マイナスになる場合の計算を考慮しておらず限りなく90°に近づくという結果になった。
・フルード数を変化させた結果、その中心速度は大きく増加し、その中心軸おける軌跡は各角度方向に大きく伸びる結果となった。